生涯に277本の映画制作に携わった藤本真澄さんを記念して、
1981年に制定された藤本賞。
第30回を迎える今年の特別賞に、「武士の家計簿」の企画設計を行った
弊社会長で原オフィス代表の原正人が選出されました。
映画の製作者に与えられる日本で唯一の賞です。
映画というと、監督と役者さんが目立ちます。
しかしながら、制作と公開にこぎつけるために
企画、座組み、資金調達などさまざまの仕事をこなすプロデューサーの存在がかかせません。
とはいっても、日本の映画界においてはプロデューサーは
どうも報われない存在のような気がしてなりません。
おそらく、あまりに多くの仕事をするために
何をやっている人なのかがわかりにくいのが原因でしょう。
一昨年 北京で開催されたプレミア試写会に出席したときのこと
パーティーの会場に「レッドクリフ」のプロデューサーがいらしていました。
中国人なのですが、自宅はシドニーにあり
これから帰国してヨットでセーリングするのが楽しみ。
しばらくはのんびり休むんだ、と笑顔で語ります。
1本の作品で1億円近いプロデューサーフィーなのだとか。
中国は日本に比べて人口が10倍あり、市場も拡大の一途。
予算をふんだんに使って制作しても、十分に回収できるため
プロデューサーフィーも十分に確保できるのでしょう。
昨日会ったプロデューサーは、映画を5000万円の予算で作る
と言っています。
撮影は14日、役者さんは監督に免じてお車代で出演、
自分はほとんどボランティアで持ち出しにならないように気をつけているけど・・・。
映画が好きというスタッフの好意に支えられているだけでは、将来はどうなってしまうのかと
思ってしまいます。
だから藤本賞のように、制作者への御褒美の賞は価値があると思うわけです。
たまにはほめてもらわないと、やってられないですよね。
と、お祝いなのに、愚痴になって、これはいけませんね。
受賞の皆様、本当におめでとうございます。